2012年2月1日水曜日

アニマルキングダム

ちゃんとUPできてなかったので連投で。

1月24日に新宿武蔵野館で『アニマルキングダム』観てきました。


ストーリー:メルボルンに暮らす17歳の少年ジョシュア(ジェームズ・フレッシュヴィル)は、母親の突然死により祖母ジャニーン(ジャッキー・ウィーヴァー)の家に引き取られる。しかし、その家の家族たちは凶悪犯罪で生計を立てるならず者ばかりで、祖母自身が裏ですべてを仕切っていた。やがてジョシュアは、一家の壊滅を狙う警察と家族のきずなとの間で板挟みになっていく。(シネマトゥディから抜粋)

観客の年齢層がかなり高く、ほとんどが40歳以上であろう今までに経験したことのない空間!しかもほぼ満席!!
そして『メランコリア』の予告編ちょっと感動した。

で、本編!メルボルンで実在したとされる犯罪一家がモデルです。それを象徴するかのようにオープニングでは監視カメラに映る実際の犯行現場の生々しい写真が。
いやー・・・最後まで緊張感を途切れさせることのない慎重且つ重厚な語り口はお見事!!
あまり飲み込めなかった『メタルヘッド』同様、今回もデヴィッド・ミショッド特有の物静かで強引な推進力と演出はあるもののシリアスな犯罪ドラマにそれがガッチリハマッてる気がして楽しめました。そしてそれらを観てふと「彼にホラーやらせたら超怖いんじゃね??」と思いました。
この人って主人公の日常会話や日常生活の合間に非日常を静かに忍ばせて、知らぬ間にグイグイ引っ張ってあっという間に事が進んでいくというある意味の非力感と無常感が特徴だと思うんですけど、それをホラーの枠にハメたら凄く怖いんじゃないかなと思ったんですよ。今後の作品要チェックですね!

役者の人たちもいい味出してました!
やっぱりジャッキー・ウィーバーは怖い!!あの微笑!!妙な色気というかねー。あのぶっとんだ家族を統率するにふさわしい静寂な狂気は映画根底にずっとありました!

ガイ・ピアースのやり手感とかねー。モテるでしょ!!?っていうね。

あと個人的に最高だったのがベン・メンデルソーン演じるポープ叔父さん。直接的な描写は無いんだけど、兄弟同士の妙な戯れ合いシーンや、刑務所に共にぶち込まれて廃人になってるダレンなど。彼のいろんな意味での危なっかしさが映画全体の緊張感を保つ要素にもなっていて最高だった。極めつけが弟ダレンに言い放ったこの言葉「何だその格好 お前ゲイなのか?ゲイの飲み方をしろ!」の変態名台詞。ほんと笑えた。
そして物語の核となるジョシュアを演じるジェームズ・フレッシュヴィル。彼のモッサリ無表情演技に不安を感じるも、中盤からラストにかけては抗争を通してあの家族環境(アニマルキングダム)に順応したまさしく野獣の表情に。素晴らしい。
ラストは賛否両論あるみたいだけど、その"成長"…と言うよりは"順応"を明確に見せる作り手の丁寧さに自分は感服しました。オススメです!!


最後は素晴らしい家族写真と共にお別れ。(知人のバズおじさんも)

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