2014年6月25日水曜日

バカの極みだけど人間讃歌『THIS IS THE END』



『THIS IS THE END 俺たちハリウッドスターの最凶最期の日』(字幕)

原題:THIS IS THE END
2013/アメリカ/107分
監督:セス・ローゲン、エヴァン・ゴールドバーグ
製作:セス・ローゲン 他
脚本:セス・ローゲン 他
出演:セス・ローゲン、ジェームズ・フランコ、ジェイ・パルシェル、ジョナ・ヒル、クレイグ・ロビンソン、ダニー・マクラウド 他

ストーリー:ジェームズ・フランコの新築披露パーティにやって来た人気俳優セス・ローゲンと友人ジェイ・バルシェル。リアーナやエマ・ワトソンなどそうそうたるセレブ達が大勢集まりバカ騒ぎが繰り広げられていたが、突然、大地震のような揺れと共に地面が陥没、辺りで火災が発生する。世紀末のような光景の中、生き残ったセスら5人がフランコ屋敷に立てこもり生き残るための対策会議を開くが・・・


※盛大にネタバレしてます※


日本未公開でDVDスルーにて国内に出た今作。新作コメディ映画の棚の片隅に鎮座していたがようやく鑑賞。面白かった!久しぶりにコメディ映画観て大笑いしました。ジャンルはコメディですが、アレです。みなさんの好きなSFコメディボンクラ映画です。

正直、出演者に対して大きな思い入れがある訳でもないし「だいたい知ってる」程度でした。 いやそりゃ、もはやオスカー級の俳優となったジョナ・ヒルや大作からB級まで仕事選ばないジェーム・ズフランコとかは好きなんですよ? 『宇宙人ポール』や『グリーン・ホーネット』の特筆して好きな訳でもないのに妙な親近感があるセス・ローゲンもああいうおじさんになりたいと思うしね。
何が言いたいかと言うと、要はコレ役者全員が本人役で登場する言わば身内映画なんですよ。なので『スーパー・バッド 童貞ウォーズ』や『スモーキング・ハイ』等の今作の出演者同士が共演している作品、言わば事前チェックマスト映画。それらを観ていないと身内ネタ分からないんじゃね?と思う人もいると思うんですが、全くそんなことございません。かく言う僕も『スーパー・バッド 童貞ウォーズ』しか観ていない身です。
とは言っても今作を観るにあたっては次々と繰り広げられるブラックジョークや映画ネタを自分なりに解釈して消化しないと映画に着いていけないかもしれませんので、そこそこのハリウッドゴシップ的なセンスは必要かも。
えーい、しかしそんな細かいことは気にしなくていい!そもそもギャグが秀逸なだけでなく、数多くあるジャンル映画のオマージュが雪崩のように炸裂するバカ映画なんですから。

そんでもって今作にはゲストとして数多くの俳優やミュージシャンが出演してますのでちょっと紹介します。



まずマイケル・セラ!実際の私生活でもこういうキャラなのかは知りませんが最初っからヤク決めて、フェラしてもらって街灯に突き刺さって死ぬという大変大変おいしい役所でした。クリストファー・ミンツ・プラッセ(下記参照)とジョナ・ヒルとセス・ローゲンとで『スーパー・バッド 童貞ウォーズ』の同窓会みたいな感じでしたね〜。



次にリアーナ!クレイグ・ロビンソンと下ネタを歌うなど、サービスいいね!


続いてエマ・ワトソン。ダニー・マクラウドが「ハリー・ポッターの撮影裏の話を聞くんだ!」と意気揚々としてたが、男子が話す話題の中で一番女子に聞かれてはいけないであろう会話を聞かれてエマ憤慨。彼女のその後がどうなったかなんて知りません。



最後にチャニング・テイタム。彼のキャリアがあってこその凄まじい立ち位置で一番笑ったとこでもあります。性奴隷ですよ?ww もう小学生の頃に『笑う犬の冒険』観てたときの感覚に戻りました。ほんとに凄すぎですww



ジャンルとしてはSFコメディですが、蓋を開けると『宇宙戦争』かと思いきや『ミスト』になったり『エクソシスト』になりあげくには北斗の拳と『タイタンの戦い』を混ぜたような世紀末感までなります。
この映画がオマージュ沢山のお楽しみ映画や一連のお約束コメディと違った路線に行ってるなと思ったのが、序盤で空から一筋の青い光が無数に差し人々が吸い込まれていくという宇宙人の侵略かと思わせる演出をしといて、実はそれは善人を天国に送り込む聖なる光だったということ。終盤、つまりセス、ジェイ、ジェームズ、ジョナ、クレイグ、ダニーは人並みに悪行を働いて来て天国に行けなかったということが発覚する。この善の行動を取る取らないのシークエンスはもの凄く観ていて楽しい。それにこの世の終わりを示す巨大なサタン相手に人を助けることで超越した存在を乗り越えようとする人間讃歌でもあるんですよ。これがなかなか胸が熱くなります。
しかしこの映画はコメディということを忘れては行けません。最後にセスが天に善人と判断された瞬間に流れるホイットニーの「I Will Always Love You」の壮大かつこの上ない薄っぺらさと言ったらないです。世界一バカな起用の仕方だと思いますw
その後の天国のシーンなんか何回でも言うけど最高ですよ。「天国行けたからあとは何でもオッケー!!フーーウ!!」みたいな。

一応貼っておきます。肝心の部分は3:13からです。

なんでDVDスルー止まりなのか、こういう映画こそ『ホット・ファズ』のときみたいに署名運動すればいいのにと思いますけどねー。映画観て今年一番笑いました。ぜひご覧あれ!



最後にジェームズフランコが描いた壁画と共にお別れ。実際にブルックリンのどっかにあるらしいです。

劇中の絵画も彼が描いたんでしょうか。


ではまた!