2014年5月22日木曜日

豊田版クローズはパラレルワールド?『クローズ EXPLODE』






『クローズ EXPLODE』

2014/日本/129分
監督:豊田利晃
製作:山本又一朗
脚本:向井康介、水島力、長谷川隆
出演:東出昌大、早乙女太一、柳楽優弥、勝地涼、永山絢斗、やべきょうすけ 他

ストーリー:滝谷源治、芹沢多摩雄らが卒業してから1ヶ月。鈴蘭高校では新たな3年生が名を挙げ頂点を目指していた。頂点に最も近い男 強羅徹が勢力を強めていく中、二人の転入生と新入生によってその勢力図は大きく変わっていくのであった。





はい、久しぶりの更新です。あの、前回の更新から1本も映画を観なかった訳では無かったんですよ?ちょっとタイミングが合わなかっただけです。まあ、詳しくは後日。
んで、観てきました。クローズシリーズ最新作!
最初にクローズという作品への思い入れとしては原作は大いに楽しんで読んでました。でも『WORST』は終盤でちょーっと退屈になって頓挫。三池版2作も大いに楽しんでいるのでそこそこ思い入れは強いほうだと思います。基本的に友情や絆、意志、代を継いでいく男達の物語なので、時系列や過去との繋がりってのが重要になってくる作品だと思うんですよね。
そして今回の『クローズ EXPLODE』は先に言ってしまうと、「あれ?今までのは無かったことにするの?」と今までのシリーズを通している身としては不完全燃焼でした。
そもそも、前シリーズとを全くと言っていいほど匂わせないような作りになっていて、滝谷源治、芹沢多摩雄らの名前はおろか、前シリーズで1年生として登場した海老塚中トリオ、上地雄輔演じる2年生 筒本 将治が一切登場しない。クローズファンなら絶対期待していた筈ですよね彼らの登場は。・・・の割にはリンダマンは登場するんです。もっと細かいことを言うと三池版と今作の鈴蘭高校の校舎の作りが違うんです。屋上を観れば分かるんですが、前シリーズは落書きや名前が書かれている壁を正面に観て左側に扉があるのに対して今作は右にあるんです。まあこれはロケ地の問題なのでまだわかりますけどね。
もう一つ惜しいと思ったところはテンポの悪さとキャラ立ち不足。前者は出演者の勝地涼も「そのテンポの悪さ、ださいところがいい」と言っていたのですが、作品のテンポとだささって直結するかなー?なんか間延びしてるんですよね。旋風雄が家でシャドーボクシングする下りとか闘いの中で見せてけば十分だし、強羅と藤原の最終対決も柴田介入で失速、からの超絶生殺し。強羅がそれで納得するかと。全体的に映画の作りもキャラの言動も納得しづらいんですよね。藤原一派と鏑木一派がぶつかる大乱闘でも各々のキャラが立っていない為、なぜこいつとこいつが闘うのかという因縁の部分が弱い。三池版はその闘う組み合わせが全て上手かった。滝谷と芹沢、伊崎と戸梶、牧瀬&チュータと三上兄弟、坂東と筒本と言った感じで二時間ちょっとの間に因縁を作ってるんですが、今作にもそれが欲しかった。あとアクションにキレが無いなと。
話が若干ずれましたが気になる点もあれば良い点もあるわけで。キャラ立ちは十分ではないが役者の立ち方は素晴らしいと思います。早乙女太一、ELLY、特に柳楽優弥演じる強羅徹が凄くいい。要はガン飛ばしてても啖呵切っててもいくらいかつくてもクローズ顔じゃなければダメなんですよ。出演陣の中で柳楽優弥が一番クローズしてたんですよ。見事ですね。もうイっちゃってるんですよ顔が。三池版の山田孝之にも引けを取らない名演でした。


このクローズ顔!もっと暴れて欲しかったなー

2もやるでしょうから次回作への期待は因縁とアクションシーンの強化、そして強羅徹!!せっかく柳楽優弥が最高の演技してるのに勿体ないですからね。
それでは!