2013年9月17日火曜日

高速格ゲー『マン・オブ・スティール』




『マン・オブ・スティール』(IMAX 3D 字幕)

原題:MAN OF STEEL
2013/アメリカ/143分
監督:ザック・スナイダー
製作:チャールズ・ローブン、クリストファー・ノーラン、エマ・トーマス
脚本:デビッド・S・ゴイヤー
出演:ヘンリー・カビル、エイミー・アダムス、マイケル・シャノン、ケビン・コスナー、ラッセル・クロウ、ダイアン・レイン、ローレンス・フィッシュバーン 他

ストーリー:惑星クリプトンは滅亡の危機を迎えていた。指導者ジョー・エルはゾッド将軍率いる反乱軍が起こしたクーデターの最中、生まれたばかりの息子 カル・エルを地球へと送り出すが、その直後ゾッド将軍に殺されてしまう。
カル・エルは地球でクラーク・ケントとして自分の生きる意味を探していた。そんな中、氷河になぞの飛行船が眠っていることを知り、そこで実の父ジョー・エルの意識と対話し、自分のアイデンティティを知る。
その頃、母星が滅びたことにより幽閉が解除された反乱軍は地球へと侵攻しようとしていた。その目的は惑星クリプトン再生の鍵を握るカル・エルを奪還することだった。




109シネマズ湘南にて鑑賞。

二回観ました。一回目はレイトショーだったんですが食後と疲れのせいか、スーパーマンがゾッド将軍率いる反乱軍と闘っている間、僕は超絶的な睡魔と闘ってまして・・・後半の記憶がゴッソリ抜けているので、リベンジで今日二回目を観に行って参りました。睡魔は軽く来たものの全編鑑賞!

スーパーマンリブートのアナウンスを聞いたとき「お!ジャスティス・リーグに向けて順調に進んでるね〜」と嬉しかった反面、スタッフを観たとき「おお!監督ザック・スナイダー!?やべえ!!・・・・・製作ノーランかよ・・・」と。ザック・スナイダーは好きです。彼の監督作品はほぼ観てます。(『300』観に行ったときも、ギリギリ間に合うか間に合わないかの瀬戸際で猛ダッシュして何とか間に合って観てたら後半から寝ちゃったんだよなw)ノーランも嫌いじゃないんですよ?ダークナイトシリーズを綺麗に完結させたことは偉大ですし、リアルタイムで観れたことは自分が老いたときに自慢できるようなことだし、嫌いじゃないんですよ?・・・ただ、主人公がウジウジウジウジ悩みくさるところだけがどーーーーーーーーーーーーーーーーーしても気に食わなくて!!!!!?
『ダークナイト』を劇場で観たときは「これは半端ねえ!映画史が動くでええ!」と感銘を受け、DVDもリリース直後に購入し、唸るほど何度も観てる内に「そんなに悩むならもうバットマン辞めれば?」という大変冷めた目線を送るようになってしまったんですよ。『インセプション』でもディカプーはずーーーっと悩んで「あーこれ最後まで悩んで大事なところで決断迫られてウジウジしてヘマすんだろうな」と思ったらそうだったし。もうなんかノーラン=「めんどくさい思春期」みたいな認識なんです。
で、あの予告編。「うわー、もろにノーランっぽいー」と。アメコミ特有の外連味とか色味とかを排してシリアス方向に持ってくのはいいんですが、どーも思春期っぽい。だって自分探しの旅しちゃってるんですよ?マジかと。 いや!ノーランに気を取られていたが、これはスナイダー作品なんだ!ノーランのことは忘れてスナイダーの綺麗でフェティッシュな映像に期待しようじゃないか!

とまぁ、長くなりましたが、こういう前振りがあっての感想です。
ちなみに僕は原作はおろか78年から続く今までのシリーズは一切観ていない。それくらいの熱量の人間です。

前半は自分のアイデンティティと人生の選択に苦悩するノーラン印、後半はゲームライクなカメラワークと破壊に破壊に重ねるスナイダー印の「新生スーパーマン」とだけ聞いて観に行くと確実に面食らうバリバリのSF大作でした。

僕、エイミー・アダムス好きなんですけど、やっぱり可愛い女優さんですよね〜。今作では能動的に大活躍するのが嬉しかった。ゾッド将軍役のマイケル・シャノンのあのアクの強そうなしつこい感じ(褒めてます)とか超ハマってたし!幽閉される直前の次第に大きくなる「I will find him!!!!」は最高だった。キャラとしても、「選択」をし続けてきたスーパーマンとは対象に、クリプトン再生という信念を貫いて「選択」を捨てた者としていい味だしてました。

彼も彼なりにクリプトンのことを思ってたんだよね。

一番個人的にグッときたのが、ゾッド将軍が地球の大気に順応できず嗚咽をかいているときに代打で出陣したファオラとナムとスーパーマンとがセブンイレブン通り(勝手に命名しました)の前にて対峙するシーン。こういうワクワクするシーンを観たくてアクション映画観に来てるんだよ!あの蜃気楼に揺れる強敵二人がゆっくり向かってくるとこ。たまりません。そこからの市街地をぶっ壊しながらの高速バトルはかなりの見物。ここがこの映画のピークですよね。ぶっ飛ばされた方にカメラがグン、グンと二段でズームしたり、いい感じにコンボ決めてたらぶっ飛ばされてた奴がいきなり画面外から体当たりしてくるなど、いちいちカメラワークや展開がゲームライクなので大画面で格ゲーを観ているような感覚に。やはりザック・スナイダー只者ではなかった。素晴らしい。

仲間が飛び込んでくるとことか、もうこんな感じ!

ただ、気になる点も何個かあって。反乱軍が元老院に捕縛され、これから幽閉されるってときにちゃっかりおめかしして出てくるララ。こいつ直前まで、息子と辛い別れ方した挙げ句旦那殺されてんだよ?どこにそんな余裕あんの?てかそんな時間あったようには見えなかったが。あと『パシフィック・リム』のシンプル イズ ベストなデザインや展開を観るとどうしても回りくどいというか、ややこしいというか…。よく分からなかったのはあの効率悪そうな重力兵器は何?あれで地球をクリプトン化させるって効率悪くね?てか効率悪いのかどうかもよく分からんのだが、絶対効率悪い気がする。だってあんな一回で直径50mくらいしか侵攻できないなんてさ!?ねえ!?しかもその重力兵器を破壊されて地球クリプトン化計画を阻止したのにゾッド将軍が普通に闘えてることなど、もうよう分からん!あれか、残り香で頑張ってたみたいな?
しかしながら、胸のSマークをエル家の紋章にしたことや、赤パンツ廃止など良い設定変更もあったりもする・・・。

そこそこノーラン風味は抑えてあったものの製作・原案を務めてるだけあってちょっと前半が長い!120分くらいに纏めて欲しかったかなと言ったところ。とは言えあの高速バトルシーンは必見なので、これまたIMAXで観ることをオススメ致します。


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