2012年2月22日水曜日

海賊戦隊ゴーカイジャーVS宇宙刑事ギャバン

2月19日(ゴーカイジャー最終回の日)に『海賊戦隊ゴーカイジャーVS宇宙刑事ギャバン』遅ればせながら観に行ってまいったよ!
朝10時の回。朝映画初めてだったのでそんな混んでねーだろとタカくくって行ったらすげー並んでて焦りました。まぁ無事席は確保できたのですが。
観客はほとんど親子連れ。一人で観に来てたのは自分と、何故か俺の隣席チョイスの中年男性だけ。なかなか奇妙な絵面だったと思います。


ストーリー:海賊行為の罪で、宇宙刑事ギャバンに逮捕されたゴーカイジャー。しかしそれは、宇宙警察に入り込み、トップを操るザンギャックをおびき寄せる作戦だった。ところがギャバンは、ザンギャックと宇宙警察が作った最強の戦士、ギャバンブートレグの襲撃に遭い、魔空監獄へと送り込まれてしまい……。(シネマトゥデイから抜粋)



結論から言うとかなり面白かったです!!!!!
まずゴーカイジャーって地続きのヒーローシリーズものの集大成とも言える傑作だと思うんですよ。
と言うのは、歴代ヒーローの"今"を破綻させずにしっかり話に絡ませ しっかり描き、「継承=親から子へのメッセージ」というものも見事に描いている。ゴレンジャー世代からすればゴーカイジャーは子供or孫といった世代ですよね。今作ではそれがギャバンからマーベラスになっているわけで、そこは現実世界にも置き換えられますよね。
ゴーカイジャーのTVシリーズ最終回ではそれを象徴するように、ゴーカイジャーを"ヒーロー"と認めワーっと寄ってくる園児達がそれにあたり、またラストのアカレンジャーの言葉もそれにあたると思います。涙腺崩壊シーンです。
んで、同じお祭りものの作品として仮面ライダーディケイドがありますね。あのパラレルワールドというアプローチも良いと思うんですけど、ディケイドは最後の最後で最悪な方向に進んでしまい漫画の打ち切りみたいなラストでした。まー予算の問題がかなり違ってくると思うのでこの判断しかなかったのかもそれないんですけどね。


そしてギャバン。今の子供達が絶対知らないようなヒーロー(しかも戦隊ものですらない)をスーパー戦隊シリーズ屈指の名作にぶつけてくるとは東映はよくぶっこんでると思います。ちなみに自分はビデオでギャバンを観ていましたがほとんど記憶がありません。
実際蓋を開けると、現代でも見劣りすることのないギャバンの貫禄が凄い。ギラッギラです。そして大葉健二さんの57歳とは思えないキレキレのアクションは必見!すげーとしか言いようない!さすがJAC(現JAE)出身!!
ギャバンの蒸着プロセスの解説はお決まりですが、なんとゴーカイジャーのチェンジプロセスの解説もあります。



今作の見所はいくつか挙げられるんですが、まずギャバンブートレグ!!


ザンギャック+宇宙警察の技術の融合!!言うなれば現代版ギャバン!こいつがなかなかにかっこいいんです!夜になると光るんです!仮面ライダー555のような視覚的なクールさを持つ奴です。

ブレードがせめぎ合うキーン!キュイーン!ってSEが最高。


そして近年のスーパー戦隊シリーズのキャラクターが再登場。
ジェラシット、ケガレシア、風のシズカ、バエなどなどサービス精神満点で魅せてくれます。

そしてそして!!
バトルケニア、デンジブルー、ギャバンの奇跡の共演!!
曙四郎、青梅大五郎、一条寺烈は全て大葉健二さんが演じているキャラクター。この三人が一同に会すシーンは奇妙だがアガりにアガります。これも最高に鳥肌、感涙すべきところなのでぜひ観てください!!

そしてそしてそして!!!
特命戦隊ゴーバスターズの先行登場!マジでね、『アジョシ』のウォンビンばりのナイフアクションを披露してくれて大いに期待できましたね!!!むちゃくちゃかっこよかった!!!!そのままバスコやっちまえよみたいな。
バイクにも乗るみたいですし新しい風を吹き込んでくれるんじゃないかと非常にワクワクしております。

総じて、親子で観に行って欲しい!!まあターゲッティング通りのことなんですがw
お父さん世代ももちろん楽しめる娯楽映画になってます!オススメ!!では最後に名決め台詞でお別れ。

あばよ涙、よろしく勇気だ!!

2012年2月2日木曜日

陰惨ファンタジー 『ダーク・フェアリー』

大学生活最後の出席を終え、映画の日である今日!観てきました『ダーク・フェアリー』!!


ストーリー:両親の離婚が原因で心に傷を負った少女サリー(ベイリー・マディソン)は、父親のアレックス(ガイ・ピアース)と彼の恋人キム(ケイティ・ホームズ)と共に郊外にある屋敷に移り住むことに。ある日サリーは封印されていた地下室を発見するが、そこにはえたいの知れない魔物がひそんでいた。そして地下室にあった小さい扉を開けてしまうが、それ以来屋敷では不可解な出来事が続発し、サリーを狙い闇の奥から魔物たちが迫ってきて……。(シネマトゥデイから抜粋)


これノーチェックだったんですけど、無性にホラー映画が観たくて恐怖におののいてきました!あと『ヒミズ』、『アニマルキングダム』とヘビーな作品が続いてたのでたまには感覚オンリーで楽しめる映画を観たかったんですよ。
CMを観て単にビックリ系か?と思ってたんですが、調べたら結構怖いと言われてたので期待して行ったんですが・・・油断しました。別の意味で結構怖かったです(笑)

まずギレルモ・デル・トロ作品は今作が初めてだったので持ち味とか精神性が未知というのと、所詮ダークファンタジーという安易な気持ちで臨んだこと、そしてオリジナル作品をノーチェック(買うしかないのか・・・)。この三点ですね!
あのねー、ベタなホラー的描写はまあ普通かなって感じなんですが、何が怖いって残酷描写がまあ陰惨!!作り手は極力抑えてるつもりでしょうが・・・ここぞとういうワンシーンに全てを叩き込むエグさ(OPの家政婦のシーンからもうキツイ)、そして生理的嫌悪感を逆撫でするかのようなギリギリホラー演出。例えば鍵穴を覗くガイ・ピアース(アニマルキングダムではやり手だったが今作では無能)、反対側には闇の妖精がデカイ縫い針のようなものを眼にさそうと突っ込むも寸での差でガイ・ピアースは顔を上げ逃れる・・・とかね!?
もう・・・「眼球+鋭利なもの」これダメ!!見てて痛すぎる!!
総じてホラーというのかもしれないがこの容赦ない陰惨描写を、しかもそれを物語の中で一番良い人(キム)にやるのは デル・トロ人でなし過ぎだろ!!っていう。もう足がくの字のシーンとかムリィィィィ

もちろんファンタジー要素として見えない妖精に話しかけたり、綺麗で幻想的な中庭だあったりと癒しのシーンはあるんですが、いやいやデル・トロ!本性分かってるからな!?と突っ込まずにはいられない。


私は精神異常者じゃない!!としっかり者のサリーはカメラを武器に勇敢に戦います!


一番の功労者キム。そして一番の被害者に・・・。


お前は実家帰れ。


観終わって腑に落ちない点 というより謎が残る。
キムがああなるってことはブラックウッドもああなってるのではないか?そして使用人ハリスはなぜ妖精を黙認していたのか?そして生かされてるとも取れるあのやり取りの真意は?
それらが分からない上にとにかく救いのない映画でねぇ。サリーは果たして強くなれたのか?鯉がどうの言ってましたが・・・。それなりに楽しめましたが、ちょっと後味悪かったですね。鑑賞終了後観客の皆さんも「うーん?」という感じでした。


そうそう、隣に座っていた女子高生二人がテンプレな怖がり方をしててそれが凄く楽しかった。
雷ドシャーンで「ひゃあ!!」とか、サリーがシーツを探るシーンで「来る…来る来る来るほらぁああ!!」とかもうほんと最高でした。映画館で観れて良かったです。ホラーはやっぱり悲鳴に限りますね!

2012年2月1日水曜日

アニマルキングダム

ちゃんとUPできてなかったので連投で。

1月24日に新宿武蔵野館で『アニマルキングダム』観てきました。


ストーリー:メルボルンに暮らす17歳の少年ジョシュア(ジェームズ・フレッシュヴィル)は、母親の突然死により祖母ジャニーン(ジャッキー・ウィーヴァー)の家に引き取られる。しかし、その家の家族たちは凶悪犯罪で生計を立てるならず者ばかりで、祖母自身が裏ですべてを仕切っていた。やがてジョシュアは、一家の壊滅を狙う警察と家族のきずなとの間で板挟みになっていく。(シネマトゥディから抜粋)

観客の年齢層がかなり高く、ほとんどが40歳以上であろう今までに経験したことのない空間!しかもほぼ満席!!
そして『メランコリア』の予告編ちょっと感動した。

で、本編!メルボルンで実在したとされる犯罪一家がモデルです。それを象徴するかのようにオープニングでは監視カメラに映る実際の犯行現場の生々しい写真が。
いやー・・・最後まで緊張感を途切れさせることのない慎重且つ重厚な語り口はお見事!!
あまり飲み込めなかった『メタルヘッド』同様、今回もデヴィッド・ミショッド特有の物静かで強引な推進力と演出はあるもののシリアスな犯罪ドラマにそれがガッチリハマッてる気がして楽しめました。そしてそれらを観てふと「彼にホラーやらせたら超怖いんじゃね??」と思いました。
この人って主人公の日常会話や日常生活の合間に非日常を静かに忍ばせて、知らぬ間にグイグイ引っ張ってあっという間に事が進んでいくというある意味の非力感と無常感が特徴だと思うんですけど、それをホラーの枠にハメたら凄く怖いんじゃないかなと思ったんですよ。今後の作品要チェックですね!

役者の人たちもいい味出してました!
やっぱりジャッキー・ウィーバーは怖い!!あの微笑!!妙な色気というかねー。あのぶっとんだ家族を統率するにふさわしい静寂な狂気は映画根底にずっとありました!

ガイ・ピアースのやり手感とかねー。モテるでしょ!!?っていうね。

あと個人的に最高だったのがベン・メンデルソーン演じるポープ叔父さん。直接的な描写は無いんだけど、兄弟同士の妙な戯れ合いシーンや、刑務所に共にぶち込まれて廃人になってるダレンなど。彼のいろんな意味での危なっかしさが映画全体の緊張感を保つ要素にもなっていて最高だった。極めつけが弟ダレンに言い放ったこの言葉「何だその格好 お前ゲイなのか?ゲイの飲み方をしろ!」の変態名台詞。ほんと笑えた。
そして物語の核となるジョシュアを演じるジェームズ・フレッシュヴィル。彼のモッサリ無表情演技に不安を感じるも、中盤からラストにかけては抗争を通してあの家族環境(アニマルキングダム)に順応したまさしく野獣の表情に。素晴らしい。
ラストは賛否両論あるみたいだけど、その"成長"…と言うよりは"順応"を明確に見せる作り手の丁寧さに自分は感服しました。オススメです!!


最後は素晴らしい家族写真と共にお別れ。(知人のバズおじさんも)