2011年7月27日水曜日

「タマは一つでいい」神様からのお告げ

友人の誕生日会に参加し、そのままほぼ寝ずにとある大型イベントへ参加。そのまま映画館へというハードなスケジュールの中観たのがこちら。



Hesher(メタルヘッド)

感想としては結構期待が大きく楽しみにしていただけにちょっと物足りなさを感じた。明確な理由が未だに出てこないのが非上にモヤモヤするのだが、恐らくセリフと役者の表情で進めていく構成と音楽の無さなのかなーと。
「ブラックスワン」で処女感丸出しのオナニーを披露したナタリー・ポートマンに「インセプション」でダメプリオの相棒として活躍したジョゼフ・ゴードン・レヴィットなど出演陣は申し分ない。
ストーリーとしては母親が死んでどんよりしている父子がジョゼフ・ゴードン・レヴィット演じるヘッシャーと出会うことにより、生きる意味を見出していくというもの。ありふれたラブソングのようなものでは無く、破天荒でバイオレンスで甘ちゃんは置いてけぼりを食らうような前衛的ヒューマンドラマである。
ヘッシャーの素性は一切明かされず、得られる情報は長髪、無精髭、体には適当なタトゥーだけ。とにかく物を平気で壊すなど、テンションが高い。主人公の男の子にも散々ひどいことをやっているが、どれも(?)自分の為ではない。外見からしてイエス・キリストを象徴しており、父子にとってもある意味の神様的ポジションにいるのである。
非常に感動的なラストで幕を閉じるものの、どうも乗り切れなかった。ヘッシャーの破天荒な言動こそ笑いが生まれるシーンなのかもしれないが、少々ゴリ押し感が否めない。そして音楽の少なさ。この映画の魅力のひとつとしてメタリカの楽曲が使用されているんですよね。メタリカの楽曲意外の音楽が極端に少ない。故にセリフや表情描写だけだと映画自体の盛り上がりに欠ける部分も多々あった。その上弱気な登場人物から出されるネガティヴオーラが少し不快とまではいかないが、ヘッシャー早くコイツらをどうにかしてくれ!と気疲れしてしまう。音楽があれば映画の色というものが出てくるのかもしれない。
監督 スペンサー・サッサーのインタビューやこの映画に対するコメントがちょっと少なく、映画の真意を探ることができなかったので答え合わせ等はできないが自分はこのような印象を受けた。
決して面白くないわけではなく、ヘッシャーのラストスピーチ「タマは一つありゃいい!」は映画史に残る脚本だった。TJ役のデヴィン・ブロシュー(なんとRUBBERに出演している)の演技も素晴らしい。もう一度観たら何か印象が変わるかも知れない。

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