『バットマン VS スーパーマン ジャスティスの誕生』(字幕)
原題:Batman v Superman : DAWN OF JUSTICE
2016/アメリカ/152分
監督:ザック・スナイダー
監督:ザック・スナイダー
脚本:クリス・テリオ、デビッド・S・ゴイヤー
出演:ヘンリー・カビル、ベン・アフレック、エイミー・アダムス、ガル・ガドット、ジェシー・アイゼンバーグ 他
ストーリー:バットマン(ベン・アフレック)は、両親の殺害現場を目撃したという過去のトラウマから犯罪者一掃に力を注ぎ、一方超人的能力を持つスーパーマン(ヘンリー・カヴィル)は、その力を人類のために惜しみなく使ってきた。だが、その破壊力の強大さゆえに、スーパーマンは人々からバッシングを受けるようになり……。
※ネタバレあり
公開日当日にIMAX 3Dにて観て参りました。
レイトショーでしたが流石の話題作とあって老若男女でほぼ満員でした。
感想としてはですね、DCフィルムズ(DCコミックキャラクターを映画化していくプロジェクト。マーベルにおける各キャラのクロスオーバーや、アベンジャーズとしての活躍など、ああいう感じ)の第一弾であり、ザック・スナイダーの前作でもある『マン・オブ・スティール』(以下MoS)には人死に出過ぎじゃね?という最大の問題点があったんですが、そこへの気配りは続編、そして前作の解答として申し分ないものだったと思います。そして僕が観たかったバットマンアクション、魅惑のワンダーウーマンと予想を超えたサービスまで。ええ、凄く好きですこの映画。
タイトルコールにてブルース・ウェインのこれまでが語られます。劇場帰りに両親が暴漢に銃殺され、その後行われた葬儀からたまらなく逃げ出し、そして井戸へ転落。ここでバットマンとなるきっかけであるコウモリの大群に恐怖する場面があるのですが、過去のどのバットマンシリーズよりもコウモリに対する畏怖の念がしっかりしていて「あ、こりゃ恐いわ」とブルースと同じ目線に立たせてくれるのは秀逸でした。あの洞窟の隙間からぶら下がるコウモリの大群に見られ、襲われる恐怖。そこからコウモリの大群と共に文字通り上昇する抽象的で映画的な演出も良い。
タイトルの出し方も細めのフォントでサラリとしていて実にスマート。ノーラン印であるエンドクレジットにドヤ顔で出すのは今回はなし。
徐々にスナイダー色を出してノーランから脱却している傾向にあると思います。
そして物語はMoSのクライマックス、スーパーマンとゾッド将軍との闘いから始まります。先述した人死に出過ぎ問題の真っ最中です。崩壊していく街の中にウェイン社が所有するビルが。そこへ駆けつけるブルース。だがビルは崩壊、9・11のような悲惨な光景を前に、ふと空を見上げると破壊の限りを尽くすスーパーマンが。
そうです、今作はあの闘いで大切なものを失い、スーパーマンに憎悪を抱くブルースの視点から始まります。そしてこの視点はMoSに対して疑問を抱いていた観客側の視点でもあります。この視点の持ち主がいる、そしてそれがバットマンであるという時点でこの映画勝ちだと思います。
ベン・アフレックのブルース/バットマンも凄くいいです。40代に突入し、長年の闘いに疲れているという設定は今までにない新たなバットマン像として新鮮。
バッキバキの筋骨隆々の肉体に窮屈そうなスーツ姿は非常に観ていてアガります。それでいて流れるようなアクションも今までのバットマンにはなかった要素。これは完全にゲーム 『バットマン:アーカム』シリーズの系譜ですよね。周囲に囲まれた敵を格闘、ギミック、周囲の物を駆使して倒す。ノーラン版で物足りなかった部分を完全にクリアしていると思います。
コスチュームも原作に忠実なシンプルなデザインながらその上からロングコートを着たり、対スーパーマン用アーマーになったりとサービス満点。
今後DCフィルムズにてベンアフバットマンが観れると思うと楽しみでなりません。
ガル・ガドット(ワイスピシリーズに出てたよ!)演じるワンダーウーマンもおいしいの何の。その美貌と健康的なエロさ。たまりません。
その正体はメタヒューマンという古来から存在する戦士種族。マーベルのビジョン以上に盾と剣を持つアマゾネス戦士という現代で映像化するには厳しいキャラデザであるにも関わらず、ガル・ガドットの魅力が爆発していてそんな懸念は吹き飛びますね。早く来年公開の『ワンダーウーマン』が観たくてしょうがありません。
話は戻りますが、戦闘になるとやはり人死に出過ぎ問題は今回も浮上します。ド派手なバトルは不可避な訳です。
ちなみにヴィランはドゥームズデイ。原作ではスーパーマンを倒したとされ、スーパーマンと同等の力を持ち、あらゆるエネルギーを吸収し力に変えていく強キャラ。外見はハリポタや指輪物語に出てくるトロル系なので、もう少し新鮮味のあるデザインが欲しかったのは正直なところ。
そのバトルは壮絶なものでスーパーマンとワンダーウーマンは吹っ飛び、街を破壊します。
今作はブルースが観客視点でスーパーマンに憎悪し、スーパーマンとは人類にとってどういう存在かを議論し、スーパーマン自身は社会不適応だと自覚しつつも、それでもやるんだよ!と再起するという流れなんですが・・・結局バカスカやってたらMoS変わらないよねと思ってしまう
が、
そう思った直後に誰かが「ここには人はいない」、「ここは廃墟だ」としきりに無人アピールするんですよ。これは流石に笑いましたね。確かにそう言うしかないよねっていう。でも正直、人死んでるよね?
そういう部分やクリプトナイトを巡るすったもんだとか大味な粗はあるものの、総合して僕は大好きな作品でした。
ジェシー・アイゼンバーグのルーサーも最高ですね。ヒース・レジャーのジョーカーにも引けを取らない演技だと思いました。いつ坊主頭になるのかワクワクしましたね。
ロゴフェチな身としてはワンダーウーマンがルーサーの研究データからフラッシュ、アクアマン、サイボーグのロゴをタッチして映像データを観るとことかヤバいですね。仮面ライダーディケイドから顕著になった各ライダーのロゴにも通ずるキャッチーさがあって最高でした。
IMAX 3Dで観るのはオススメです。と言っても2D未見なのでね。2Dでもいいと思うんだよなー。ぼんやりですが、そんな感じです!大好きです!