2013年7月17日水曜日

まさかのノンアルコール『ハングオーバー!!! 最後の反省会』



『ハングオーバー!!! 最後の反省会』(字幕) 

原題:THE HANGOVER PART3
2013/アメリカ/100分
監督、脚本、製作:トッド・フィリップス
共同脚本:クレイグ・メイジン
共同製作:ダン・ゴールドバーグ
出演:ブラッドリー・クーパー、ザック・ガリフィアナキス、エド・ヘルムズ、ケン・チョン 他

ストーリー:何かとトラブルを引き起こしてばかりのアラン(ザック・ガリフィナーキス)。そんな彼の父親が心労を募らせて急死したのを機に、フィル(ブラッドリー・クーパー)、ステュ(エド・ヘルムズ)、ダグ(ジャスティン・バーサ)はアランの施設収容を決行することに。だが、施設へと向かう途中でギャングに4人が誘拐されてしまう。困惑するフィルたちに、ギャングのボスはアランがメル友として親交のあるアジア系ギャングのチャウ(ケン・チョン)が盗んだ金塊を取り戻すよう命じる。




公開当日、109シネマズ湘南にて鑑賞。 

もともと前二作の焼き直しなのだとしたら劇場で観なくていいかなぁ程度のテンションだったんですが、長谷川町蔵さん曰く「前二作とは話の組み方も違うし、全体的にサスペンスよりになっている」とのことで、今まで劇場で観てきてるし…観客の反応と共に楽しむのがハングオーバーだし……ってことで観てきました.

ええ…もう、面白かったです!!大好きですコレ!!
予想より遥か上をいく出来で全シリーズ中一番楽しめました。と言っても1、2と構成が違うので1と3が同立って感じですが。僕的に2は宗教に対しての冒涜や、行き過ぎたブラックユーモア(特にテディの指あんななって将来はどうなるの?ってところを笑いに転換させてる点など)があって笑えるけど笑えない、というよりコレに笑っちゃう自分ダメじゃね?(でも笑っちゃう)みたいな気まずさがあるので微妙な距離感があったんですよね。


しかし!!吹き飛ぶキリン!荒ぶる軍鶏!!折られる番犬!!!
今回も動物虐待は健在!ここまでエキストリームなブラックユーモア見せられたらもういい!不謹慎とか何とかい言ってる自分がバカらしい!特に冒頭のキリンの下りは最高に不謹慎で笑っていいのかいけないのか分からないが、監督の「人間が殺されるのは平気なのに動物が殺された途端いろんなとこから苦情がくる。」この言葉の通りアランが飲酒運転をキメる冒頭でモラルもクソもないことが分かる。みんな、ここは笑っていいんだよ!と監督のブラックユーモアさが伝わってきて最高。


こちらはシャマランの『サイン』にて宇宙人に犬が殺された直後「やばくね?」と目を合わせるメル一家。ここも直接的な描写はなくやっぱり音声のみ。



んで、評価通りサスペンス色がグッと濃くなってます。なんとタイトルコールまでの間チャウの脱獄アクションなんですもの!そう、今回はチャウにスポットが当てられ、彼の犯罪者というダークサイドと孤独な男の哀愁がマジでハードボイルド!!


他にもグッと来たのが、成長したカルロス(なんとあの赤ちゃん本人!)との再開、ラストの整列式フラッシュバック!!コレだよコレが観たかった!最高!何言ってるかわからない人はぜひ劇場で!!あと対話の一つ一つ丁寧だったところ。アランがカルロスと出会い、恋に落ちて、チャウと決別し少しづつ前を見据えて生きていくことを決意する。ハングオーバーでこんなものが観れると思いませんでした。
監督も言っている通り本当に今作で完結させる気満々。だから前二作とテイストは違えど、僕は三作目にしてこの内容というのはアリだと思います。黒いダグが死ぬ瞬間から「え・・・殺しちゃうの?」と、作品のテンションが一瞬分からなくなるけど、「あ、本当に終わらせようとしているんだな」というのが分かる。最初に書いた通り前二作の焼き直しだとしたら僕はこのテンションにはなってないと思うし、観に行っていないと思う。サスペンスよりではあるもののその中にジェイドやカルロスとのないがしろにされてきたキャラクター達にも手を差し伸べて綺麗にシリーズをまとめた監督には愛情を感じました。最高です。


あと翻訳面で「おっ!」と思ったのがネトゲの友達のことをパズ友と訳してるところとか時事性高いなーと。こういうのって今後DVDやBDに収録するときに変わってくのかな?時事性があっていいと思うから一旦は収録してほしいですね。


まあ、前二作を期待しすぎるとちょっと肩透かしを食らう人もいると思うが、そういう人こそエンドロール後までしっかり観ないと損しますよ!オススメです!!